2店舗目の物件が決まった。内装の打ち合わせと並行して、制作会社から「2店舗目は別サイトを作りましょう」と言われた。そういうものなのか、判断がつかない。

この記事の結論を先に書きます。個人店なら、ホームページは1つにまとめて、Googleビジネスプロフィールだけ分けてください。

そのうえで、まとめない方がいい例外が3つあります。自分の店がそこに当てはまるかどうかを、順に確かめられるようにしました。

先に結論。ホームページは1つ、Googleマップは2つ

2店舗目の情報を探すと、出てくるのはほとんどが多店舗チェーン向けの話です。拠点グループを作る、店舗コードを S001 から振る、10店舗以上なら一括で登録する。

2店舗目を1つ出しただけの個人店には、どれも要りません。 拠点グループを作る価値が出るのは、管理する人が複数いて、権限を分ける必要が出てからです。

個人店で実際に決めることは、次の2つだけです。

決めること答え
ホームページ1つにまとめる
Googleビジネスプロフィール店舗ごとに1つずつ作る

理由を書きます。

ホームページを分けると、更新する場所が2倍になる

サイトを2つ持つと、更新する場所が2か所になります。

年末年始の休業案内を出すとき、2回書く。メニューの値段を変えるとき、2回直す。新しいスタッフが入ったとき、2回載せる。どちらか片方が古いまま残ります。 これは気をつけていれば防げる話ではなく、必ず起きます。

費用も2倍になります。ドメイン、サーバー、保守。2店舗目がまだ軌道に乗っていない時期に、固定費を2本持つことになります。

1つにまとめると、1店舗目が積み上げた評価を使える

もう1つ、見えにくい方の理由です。

1店舗目のホームページには、公開してからの時間が乗っています。他のサイトからのリンク、検索で表示された実績、蓄積されたページ。新しいドメインで別サイトを作ると、これが全部ゼロから始まります。

同じサイトの中に2店舗目のページを足せば、その積み上げの上に乗ります。オープン直後から検索に出やすいのは、こちらです。

そうは言っても、2店舗目専用のサイトを作った方が、その店の言葉で埋められるから検索に強いのではないか。制作会社からそう説明されることがあります。ページ単体で見れば、そのとおりです。ただしそれは、新しいドメインが評価されるまでの時間を店が待てる場合の話です。オープン初月に地図と検索から人が来てほしいなら、待っている余裕はありません。

分けた方がいい3つの例外

結論を出しっぱなしにはしません。次のどれかに当てはまるなら、分けてください。

①業態が違う

同じオーナーでも、1店舗目が美容室で2店舗目がカフェなら、分けます。

探している人が違うからです。カフェを探している人が、美容室のメニューとスタッフ紹介が並ぶサイトに着地しても、自分が来る場所だと思えません。看板が同じでも、客が同じとは限りません。

判定の仕方は簡単です。2店舗目を探す人が検索に打つ言葉を、1店舗目のトップページに書けるかどうか。 書いたら不自然になるなら、分けた方がいい。

②客層と商圏が重ならない

業態が同じでも、大津の店と長浜の店では、来る人が違います。県内でも、車で1時間かかる距離なら、両方に行く人はほとんどいません。

ただし、これだけでは分ける理由になりません。同じサイトの中で、店舗ごとのページを分けておけば足ります。 検索する人はトップページではなく、店舗のページに直接着地します。

分ける判断に傾くのは、店名が違う場合です。屋号を変えて出すなら、別の店として扱った方が伝わります。

③将来どちらかを譲る・畳む予定がある

2店舗目を出す時点で、5年後に1店舗目を後継者に譲る予定があるとします。あるいは、2店舗目は3年契約の物件で、更新するか決めていない。

この場合は分けます。1つにまとめたサイトを後から切り離すのは、最初から分けておくより手間がかかります。 URLが変わるので、印刷物や他サイトからのリンクも全部作り直しになります。

予定が決まっていないなら、まとめてください。「いつか分けるかもしれない」で分けると、たいてい分けないまま2サイトを維持し続けることになります。

Googleマップは分ける。ただし引き継げないものがある

ホームページをまとめても、Googleビジネスプロフィールは店舗ごとに1つずつ作ります。住所が違うので、1つにはできません。

問題は、1店舗目で積み上げたものが2店舗目に乗らないことです。ここを知らずにオープンすると、初月にがっかりします。

口コミと評価は2店舗目に移せない

1店舗目に口コミが80件あって、評価が4.6だとします。2店舗目は0件から始まります。 星も付きません。

Googleのヘルプには、プロフィール間でクチコミを移動する手順を説明したページがあります。ただしこれは、移転や統合で片方が無くなるときの話です。2店舗とも営業を続けるなら、移す対象がありません。

だから、2店舗目の口コミは自分で集め直すことになります。オープン直後の来店客に声をかけるのがいちばん早い。ただし頼み方に線があります。 割引と引き換えにする、良い評価だけを頼む、といった形は規約違反です。線の引き方はGoogleの口コミを増やす頼み方。違反にならない線はどこかに書きました。

電話番号を同じにしない

2店舗目のプロフィールに1店舗目の番号を入れる店があります。やめた方がいい。

Googleマップから電話をかけた人は、自分が見ていた店につながると思っています。別の店に出たら、その時点で予約の会話がずれます。「今からそちらに行けますか」と言われて、どちらの店のことか分からない。

回線を1本増やすのが難しければ、転送でも構いません。 大事なのは、2店舗目の番号が2店舗目の番号として存在していることです。

なお、Googleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄には、まとめたサイトの中の店舗ページのURLを入れてください。 トップページではありません。地図から来た人を、その店のページに直接着地させます。

オープン前にやる順番

オープン日が決まっていると、順番を間違えたときに取り返しがつきません。

いちばん多い事故を先に書きます。Googleビジネスプロフィールの住所確認が、開店日に間に合わない。 ハガキで確認する方式に回ると、届くまで時間がかかります。届いた後に入力して、審査が通って、やっと地図に出ます。

開店当日にGoogleマップで検索しても出てこない、という状態を実際に見ました。チラシを撒いた日に、地図では店が存在していない。

だから順番はこうなります。

  1. 2店舗目の住所が確定した日に、Googleビジネスプロフィールの登録を始める。内装が終わっていなくても構いません
  2. 確認の方法を選ぶ画面で、動画やハガキなど選択肢が出ます。時間がかかる方式になったら、そこから逆算する
  3. 確認が進んでいる間に、まとめたサイトへ2店舗目のページを足す
  4. ページが公開できたら、プロフィールのウェブサイト欄にそのURLを入れる
  5. オープン1週間前までに、外観と内観の写真を入れる

開業前の登録で引っかかりやすい点は開業前にGoogleビジネスプロフィールを作る。順番だけ間違えないにまとめました。

1店舗目のプロフィールを制作会社が作ったまま、自分がオーナーになっていないことがあります。2店舗目を作る前に確認してください。手順はGoogleビジネスプロフィールのオーナー確認が通らないときにあります。

1つにまとめたホームページで、2店舗をどう見せるか

まとめると決めた後に、必ずここで止まります。

やることは1つです。店舗ごとに1ページずつ作る。 トップページに両方の情報を並べるのではありません。

1ページに入れるのは、その店の住所、地図、電話番号、営業時間、駐車場、写真、そして予約の入口。その店のことだけを書いたページにしてください。Googleマップから来た人は、このページに着地します。

トップページでやることは2つだけです。

  • どちらの店を探しているかを選ばせる導線を、最初の画面に置く
  • 2店舗に共通する話(こだわり、沿革、採用)をここにまとめる

そして、営業時間と定休日は店舗ページにだけ書いてください。 トップページにも書くと、片方だけ直し忘れます。書く場所を1か所に決めるのが、更新漏れを防ぐいちばん確実な方法です。

ページの分け方の考え方は店のホームページは1ページで足りるかと同じです。

運用の手間も見積もっておいてください。Googleビジネスプロフィールを見える状態に保つのは、実測で1拠点あたり月2時間前後です。写真の追加、口コミ返信、営業時間の更新。2店舗になると、単純に2倍の4時間になります。誰がやるかを決めておかないと、2店舗目だけ半年後に止まります。

この記事で決められないこと

3店舗目以降は、この記事の話ではありません。 3つを超えたあたりから、更新の担当を分ける必要が出て、権限の設計が要ります。そこからは拠点グループを作る価値が出てきます。

もう1つ。店名を変えるかどうかは、ここでは決められません。 同じ屋号で出すか別の名前にするかは、経営の判断です。ただ、決まっていない状態でサイトの構成だけ先に決めることはできません。店名が決まってから、この記事に戻ってきてください。

当社は、2店舗目のページを1ページ足す形を標準にしています。別サイトを勧めるのは、上の3つの例外に当てはまるときだけです。サイトが増えれば制作費は増えますが、その後に毎月増える手間は店が負担することになります。 そこを込みで判断してください。

まとめ

今日やることは1つです。2店舗目の住所が確定したら、その日のうちにGoogleビジネスプロフィールの登録を始めてください。 確認に時間がかかる方式に回ることがあるので、内装より先に着手します。

ホームページの作り込みは、そのあとで間に合います。分けるか1つにするかは、上の3つの例外に当てはまるかどうかだけで決まります。

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出典