制作会社に見積を取ったら20万円だった。それは出せないので自分で作れないか調べている。そういう方に向けて書きます。

結論を先に書くと、店舗の1ページのホームページは自分で作れます。 特別な技術は要りません。ただし、向いている場合とそうでない場合があります。

この記事では、まず判断の基準を書きます。そのあとに手順を最後まで書きます。そして、当社が1ページを作るのに何時間かけているかを全部出します。自分で作るということは、その時間を自分で使うということだからです。

当社はホームページを作る側の会社です。「自分で作らないでください」と書いた方が得ですが、それは書きません。やってみて面倒だと分かった方が来てくださる方が、お互いに納得できます。

先に判断基準。自分で作った方がいい人、外注した方がいい人

方法の前に、これを決めてください。

自分で作った方がいい3つの条件

1. 開業前、または開業直後で、まだ売上が立っていない

初期20万円は、開店してからの1〜2ヶ月の運転資金に相当します。まずは無いよりある状態を作って、売上が立ってから作り直す方が合理的です。

2. 載せる情報が、まだ固まっていない

メニューも価格も営業時間も試行錯誤の途中なら、自分で直せる状態の方が身軽です。外注すると、変更のたびに依頼と待ち時間が発生します。

3. 平日の昼間に、まとまった時間を3〜4時間取れる

ここがいちばん大事です。細切れの30分では進みません。店を閉めた後の疲れた頭では、文章は書けません。

外注した方がいい3つの条件

1. 予約や問い合わせを、ホームページから受けたい

フォームを設置して、届いたメールを確実に受け取り、迷惑メール扱いにならないようにする。ここは自作でつまずきやすい箇所です。

2. 写真が手元に無い

ホームページの出来は、文章より写真で決まります。スマートフォンで撮った写真でも構いませんが、撮る時間が取れないなら、そこだけでも人に頼んだ方がいいです。

3. 3〜4時間を、店の仕事に使った方が売上が大きい

時給に換算してください。自分の4時間が、外注費より価値があるなら、外注が正解です。外注する場合の金額の見方は店舗のホームページ制作費用の相場に書きました。

「無料」で作れるかどうかを先に確かめる

「無料ホームページ作成」で検索して始めると、途中で必ず引っかかる場所があります。先に書いておきます。

無料プランの制約は、独自ドメインと広告

Square の比較記事が、主なツールの無料プランを表にしています。それによると、Square・Wix・Jimdo・Studio の4つとも、独自ドメインは有料プランでのみ利用可です。そして Wix・Jimdo・Studio は無料版では広告が表示されます。

同記事は、独自ドメインについてこう書いています。

ほとんどのケースで有料

無料でホームページ作成!店舗向けおすすめツールと選び方を解説(Square)

これが何を意味するか。無料プランで作ると、URLが 〇〇.wixsite.com のような形になります。名刺やチラシに刷るURLとしては、少し据わりが悪い形です。そして、あとから独自ドメインに変えると、引っ越しの手続きが増えます。 古いURLから新しいURLへ転送を設定すれば検索の評価は引き継げますが、無料プランでは転送を設定できないことがあります。設定できなければ、貯めた評価はゼロから積み直しになります。

無料で試すのは構いません。ただ、本番として使うつもりなら、最初から独自ドメインで始めた方が手戻りがありません。

実費は月300円前後で済む

独自ドメインを取ると、いくらかかるか。当社が仕入れている価格で、.com が年約2,000円、.jp が年約4,000円です。月あたり170〜330円です。

サーバー代は、1ページの店舗サイトなら0円で済ませられます。当社は Cloudflare Pages という配信サービスの無料枠を使っていて、1ページのサイトはこの枠を超えません。

なお、ロリポップ!のメディア記事は自作の費用を「月額264円〜のレンタルサーバー費用が基本」と書いています。レンタルサーバーを借りる構成なら、その分が上乗せされます。

つまり、独自ドメインで店舗のホームページを持ち続ける実費は、月に数百円です。 ここを知らずに「維持費」として月数千円を払っている店があります。

自分で作る手順

6つです。順にやれば終わります。

①載せる情報を紙に書き出す

パソコンを開く前に、これをやってください。 ここを飛ばすと必ず途中で止まります。

書き出すのは次です。店の名前(正式なもの)、住所、電話番号、営業時間、定休日、駐車場の有無と台数、支払い方法、メニューか商品と価格、店の外観と内観の写真、料理か商品の写真。

1時間で書き終わらないなら、そこが本当の作業量です。 ホームページ作りの大半は、この情報整理です。何を載せるかは店舗のホームページに何を載せるかに詳しく書きました。

②ドメインを自分名義で取る

お名前.com、ムームードメイン、さくらインターネットなどで取得します。手続きは10分ほどです。

必ず自分(自社)の名義で取ってください。 ここを人に任せると、あとで動かせなくなります。理由はホームページを解約したら、ドメインは誰のものになるかに書きました。

名前は、店名のローマ字がいちばん無難です。地名を入れるかどうかは好みですが、移転する可能性があるなら入れない方が安全です。

③ツールを選んで、テンプレートを1つ選ぶ

ツールはどれでも構いません。選ぶ基準は「スマートフォンでの見え方を自分で確認できるか」の1点です。

テンプレートは最初に選んだものから変えないでください。ここで悩むと、それだけで2時間が消えます。写真が大きく出るものを選べば、店舗サイトとしては十分です。

④文章を書く

いちばん時間がかかるところです。目安として、次の分量で足ります。

場所分量
店の紹介200〜300字
メニューか商品の説明1つあたり30〜50字
アクセスの案内100字程度

うまく書こうとしないでください。 お客さんに口で説明していることを、そのまま文字にすれば十分です。「駐車場は店の裏に3台あります」で伝わります。

⑤スマートフォンで確認する

作業はパソコンでも、見るのはスマートフォンです。 公開する前に、自分のスマートフォンで開いて、次を確認してください。

  • 電話番号を押したら、電話がかかるか
  • 住所を押したら、地図が開くか
  • 文字が小さすぎないか
  • 横にスクロールしないと読めない場所がないか

⑥公開して、Googleビジネスプロフィールに登録する

公開したら、Googleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄に、そのURLを入れてください。

ここを空欄のままにしている店が多くあります。せっかく作っても、Googleマップから見た人がたどり着けません。まだ登録していない場合はGoogleマップに自分の店が出てこないときに確認することから始めてください。

プロが2時間で何をしているか

当社が1ページのホームページを作る標準時間は2時間です。この2時間の中身を出します。自分で作るということは、この作業を自分でやるということです。

当社の1ページ制作 2時間の内訳

作業やっていること
情報の聞き取り店の情報を漏れなく集める。決まっていない項目を見つけて決めてもらう
文章を整える話し言葉を、読んで伝わる文に直す
並び順を決めるスマートフォンで上から読んだときに、迷わない順にする
表示の確認実機で開いて、押せるか、読めるかを確認する
ドメイン取得と公開取得、SSLの設定、公開、Googleへの登録

2時間で収まるのは、テンプレートと手順を標準化しているからです。初めての方は、ツールの操作を覚えるところから始まるので、これより長くかかると考えてください。

標準化のために削っているもの

当社が「やらないこと」を決めている作業があります。これは、自作するなら自分に戻ってくる作業です。

  • ページを増やさない(1ページに収める)
  • デザインを一から作らない(テンプレートを使う)
  • 撮影しない(写真は店舗様からご提供いただく)
  • 完璧な文章にしない(伝わる文で止める)

自作で時間が溶けるのは、たいていこの4つのどれかです。ページを増やしたくなったら、増やさない。デザインで悩み始めたら、最初のテンプレートに戻る。 ここを決めておくだけで、かかる時間は大きく変わります。

公開したあとに必ずやること3つ

作って終わりにすると、効果が出ません。3つだけです。

Googleビジネスプロフィールと情報を一致させる

営業時間、電話番号、住所を、ホームページとGoogleビジネスプロフィールで一致させてください。

違っていると、お客さんは混乱します。どちらを信じればいいか分からないからです。特に定休日が食い違っている店をよく見かけます。

httpsになっているか確認する

ブラウザのアドレス欄が https:// で始まっているか確認してください。http:// のままだと「保護されていない通信」と表示され、見た人が不安になります。

ほとんどのツールは自動でhttpsになりますが、独自ドメインを設定した直後は反映に時間がかかります。設定した翌日にもう一度確認してください。

営業時間を変えたら、2か所とも直す

年末年始、お盆、臨時休業。ホームページとGoogleビジネスプロフィールの両方を直してください。

片方だけ直して忘れる、というのが最も多い運用ミスです。カレンダーに「営業時間を変えたら2か所」とだけ書いておけば防げます。

「無料のサーバー」の枠の数え方(当社の失敗)

最後にひとつ、実際にやられた話を書きます。

当社は以前、別の配信サービスで複数のサイトを運用していました。無料枠は月300ポイント。更新を1回反映するたびに15ポイント固定で減る仕組みで、サイトごとではなくアカウント全体で1つの枠でした。

月20回で使い切ります。実際に枠が尽き、営業で使っているサイトを8日間まったく更新できませんでした。

自分で作る場合、複数のサイトを持つことはあまりないので、この問題には当たりにくいはずです。ただ、制作会社に頼む場合は必ず聞いてください。

その無料枠は、サイトごとの枠ですか。アカウント全体の枠ですか。

無料枠を使うこと自体は悪いことではありません。当社も使っています。ただ、上限に当たったときに更新が止まるのは店の側です。

まとめ

まずは載せる情報を紙に書き出してください。 店名、住所、電話番号、営業時間、定休日、駐車場、支払い方法、メニューと価格、写真。

これが1時間で書き終わるなら、自分で作れます。書き終わらないなら、そこが本当の作業量です。外注するかどうかは、その紙を見てから決めてください。

金額ではなく、自分の時間で判断する。それがいちばん後悔しない決め方です。

出典

競合3社の記述は2026年9月4日に各社の記事本文で確認しています。ツールの料金と無料プランの制約は変更されることがあるため、申し込む前に各社の料金ページでご確認ください。当社の作業時間・実費は2026年9月4日時点の内容です。表示は全て税別です。

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