ホームページの月額を見直したい。あるいは、作ってもらった業者と連絡が取れない。そこで気になるのが、解約したら今のURLは使い続けられるのかという点です。

名刺にも、チラシにも、看板にも、そのURLが刷ってあります。変わると全部作り直しになります。

この記事では、いま自分がドメインの登録者かどうかを確かめる方法を3つ書きます。そのうえで、他社に移すときの手続きと、返してもらうデータの一覧をお伝えします。日本レジストリサービス(JPRS)の公式手順を出典に使います。

先に答え。3つのうち、どれが自分に当てはまるか

「解約したらどうなるか」の答えは、契約の形で変わります。まず自分がどれかを見てください。

状態解約したときに起きること
①ドメインが自分(自社)名義URLはそのまま使える。移管の手続きをすれば他社へ移せる
②ドメインが業者名義業者が同意しないと使えなくなる。 交渉が必要になる
③リース契約中途解約できないことが多い。残りの期間分の支払いが残る

③のリース契約は、LeadGrid の記事が危険性を6つ挙げています。契約期間は3〜5年で、次の条件が入っています。

リース期間中の解約(中途解約)はできない。解約する場合には、残リース料または残リース料相当額の違約金を支払う

ホームページのリース契約に注意!6つの危険性と解約方法を解説(LeadGrid)

契約書に「リース」「クレジット」「割賦」という文字があれば、まずここを確認してください。

ただ、いま契約している方の多くは①か②です。そして自分がどちらか分かっていません。 そこから確かめます。

いま自分が登録者かどうかを確かめる3つの方法

「ドメインの所有者を確認しましょう」という助言はよく見かけますが、確認の仕方が書いてありません。順に書きます。

.jp のドメインは、JPRS WHOIS で登録者名が見られる

自分の店のURLが .jp で終わっているなら、いちばん早い方法があります。

日本レジストリサービス(JPRS)が JPRS WHOIS(whois.jprs.jp)という検索サービスを公開していて、そこにドメイン名を入れると登録者名が表示されます。

表示された名前が自分の店の名前なら①、業者の会社名なら②です。

ひとつ注意があります。JPRSには登録者名を非表示にできる設定があり、汎用JPドメイン名と都道府県型JPドメイン名で使えます。「非表示」と出た場合は、次の方法で確かめてください。

.com や .net は、更新料の請求書が誰に届いているかで見る

.com .net などは、個人情報の保護のため、登録者名が伏せられていることがほとんどです。WHOISを見ても分かりません。

代わりに、ドメインの更新料の請求が、誰宛に、どこから届いているかを確認してください。

お名前.com、さくらインターネット、ムームードメインといった登録事業者(レジストラ)から、店の名前宛に、年1回の更新の案内が届いているなら、自分名義である可能性が高いです。

一度も見た覚えがないなら、業者がまとめて払っています。それ自体は普通のことで、悪いことではありません。ただし、名義まで業者になっているかどうかは別の話です。

最後は、いまの会社に「認証コードを出せますか」と聞く

WHOISも請求書も、名義を推測する材料でしかありません。確定させたいなら、聞くのが早いです。

いま契約している会社に、こう聞いてください。

ドメインを他社に移す場合、認証コード(AuthCode)を出していただけますか。

認証コードは、ドメインを別の会社へ移すときに必要になるパスコードのようなものです。JPRSはこう説明しています。

「認証コード(AuthCode)」は指定事業者変更の申請者が「登録者本人」または「登録者から申請権限を委任された人」であることを確認するために利用します

JPRS「ドメイン名の管理指定事業者の変更」

そして手続きの途中で、JPRSから「登録者」に対して意思確認が行われます。

つまり、登録者が自分でなければ、自分は移管を承認できません。 聞いたときの返事で、自分の立場が分かります。

  • 「お出しします」→ 移せる見込みがあります。 ただし名義が自分だと確定したわけではありません。業者名義のまま、業者が協力してくれている場合もあります。続けて「登録者名義はどちらになっていますか」も聞いてください
  • 「当社名義なので出せません」→ ②です
  • 明確に答えない → 契約書を出して、書面で聞き直してください

この質問は、解約するつもりが無くても、いま聞いておく価値があります。

ドメインの実費は年2,000〜4,000円しかない

交渉するときに、金額を知らないと押し切られます。原価を出します。

当社が仕入れている価格で、.com が年約2,000円、.jp が年約4,000円です。月あたりにすると170〜330円です。特別な卸値ではなく、誰でもこの価格で買えます。

ドメインを持ち続けるために必要なのは、この金額だけです。「ドメインの維持費」として月に数千円を請求されているなら、差額は別の何かの対価だということになります。

当社の場合の内訳

当社(しがみせ)のWebページは、初期10,000円・月額3,000円です。月額3,000円の中身はこうです。

内容金額
ドメインの維持(実費)月170〜330円
サーバー代0円(Cloudflare Pages の無料枠を使っています)
残り表示不具合の対応と、月1回までの更新(30分相当)の人件費

実費は1割前後で、残りは人の時間です。 ホームページの月額は、たいていこの構造になっています。金額そのものより、実費と人件費の比率を聞いてください。

費用全体の見方は店舗のホームページ制作費用の相場に書きました。

移管の手続きは、こう進む

②だった場合、あるいは①でも他社に移したい場合の手順です。

ここから書くのは .jp ドメインの手順です。 JPRSが公開している「ドメイン名の管理指定事業者の変更」に沿っています。

.com .net は、JPRSではなく海外の登録管理団体が扱っていて、手続きも期限も別物です。認証コードを受け取って移管先に申し込むという大きな流れは同じですが、期限の日数、登録者への確認方法、移管できない期間の条件が違います。.com .net の場合は、いま契約している会社と移管先の会社の両方に、そのドメインの手順を確認してください。

認証コードを受け取ってから、移管先へ申し込む(.jp の場合)

  1. いまの会社に認証コードを請求する
  2. いまの会社からJPRSへ発行を依頼し、コードが通知される
  3. 移した先の会社に、認証コードを添えて申し込む
  4. JPRSからいまの会社へ、意思確認の依頼が行く
  5. いまの会社から登録者(自分)へ、承認するか確認が来る
  6. 承認すると、手続きが完了する

5番が重要です。承認するかどうかを聞かれるのは登録者です。 自分が登録者なら、ここで意思を示せるのは自分です。

ただし、登録者が自分であれば必ず移せる、という意味ではありません。 1番の認証コードを出してもらえるか、後述の変更ロックが外れているか、JPRSに登録されている連絡先メールアドレスが今も使えるか。ここが詰まると手続きは進みません。名義は前提条件のひとつであって、それだけで完結はしません。

数日かかる。認証コードには35日の期限がある

JPRSは「手続きは開始から終了まで数日程度かかる場合があります」と案内しています。解約日の直前に始めないでください。

もうひとつ、認証コードには有効期限があります。JPRSが発行した日の翌日から数えて35日後の23時59分59秒までです。切れたら、コードの請求からやり直しになります。

なお、ドメインに「指定事業者変更ロック」がかかっていると手続きに進めません。先に解除が必要です。

ホームページの中身(データ)はどうなるか

ドメインを取り戻しても、それだけではホームページは表示されません。中身は別に受け取る必要があります。

株式会社プロパゲートの記事も、解約時に「ホームページが非公開または削除されてしまうリスク」と「解約後に管理画面へアクセスできなくなる場合がある」ことを挙げています。

返してもらうものの一覧

解約を伝えるときに、この4つを書面で依頼してください。

  1. ページのファイル一式(HTML、CSS、画像。WordPressなら「テーマ」とデータベースの書き出し)
  2. 写真の元データ(圧縮前のもの。撮影を頼んでいた場合は特に)
  3. ドメインの認証コード
  4. 問い合わせフォームの送信先メールアドレスの設定

当社の場合、1ページ構成なのでお返しするのはHTMLと画像だけです。構成を単純にしてあるのは、この場面のためでもあります。 複雑に作るほど、他社へ移るのが難しくなります。

著作権が誰にあるかは、契約書に書いてある

「お金を払ったのだから当然自分のもの」とは限りません。制作物の著作権が制作会社に残る契約は普通にあります。

契約書の「著作権」「知的財産権」の条項を読んでください。「納品と同時に甲へ譲渡する」と書いてあれば店側のもの、「乙に留保する」と書いてあれば制作会社のものです。

当社は、著作権の帰属と、解約時のドメイン・データの移管手順を契約書に明記しています。書いていない契約書があれば、契約前に書き足してもらってください。

これから頼む人が、契約前に確認する4項目

まだ発注していない方は、この4つを聞くだけで大半のトラブルを避けられます。

  1. ドメインは誰の名義で登録しますか(答えは「お客様名義」であるべきです)
  2. 解約するとき、認証コードとデータをお渡しいただけますか
  3. 制作物の著作権はどちらに帰属しますか
  4. 最低契約期間と、中途解約の条件は何ですか

cagpro の記事が、ドメインとサーバーについて曖昧に聞かれた場合は「自社で管理したいと考えています。どうすればいいですか?」とストレートに聞き返すことを勧めています。同じことです。

Googleビジネスプロフィールにも、まったく同じ問題があります。オーナー権限を業者に渡すと、解約後に自分の店のプロフィールを触れなくなります。 詳しくはGoogleマップに自分の店が出てこないときに確認することの「業者との契約が切れた」の項をご覧ください。

MEOの月額を判断する方法はMEO対策の費用相場と、月額料金に入っている作業時間にまとめました。

まとめ

いま契約している会社に、ひとこと聞いてください。

ドメインを他社に移す場合、認証コード(AuthCode)を出していただけますか。

解約するかどうかとは関係なく、聞いておいて損はありません。返事の内容で、自分がドメインの登録者かどうかが分かります。

分かったうえで契約を続けるのと、知らないまま続けるのとでは、いざというときの選択肢が違います。

出典

JPRSの手順と認証コードの仕様は2026年9月4日に公式ページの原文で確認しています。ドメインの実費は当社が2026年9月4日時点で仕入れている価格です。表示は全て税別です。

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