辞めたスタイリストの指名客が、ぱったり来なくなった。予約も相談も、そのスタイリストの個人のLINEでやっていたので、店からは連絡の取りようがない。
美容室、ネイル、整体院、まつげ。指名のある店では、スタッフが個人のLINEでお客様とやり取りしていることが珍しくありません。LINE公式アカウントの使い方を書いた記事は多いのですが、いま個人のLINEで回っている状態から、どう移すかを書いた記事は見当たりません。
この記事では、禁止から入らずに店のLINEへ窓口を寄せる手順と、個人のLINEのままでいい場合を書きます。
辞めたとき、お客様の連絡先は店に残らない
個人のLINEでのやり取りは、そのスタッフのスマートフォンの中にしかありません。
辞めると決まった日から、店は何もできなくなります。これが一番困る。どのお客様と何をやり取りしていたか、次の予約の約束があったか、店には分かりません。スタッフが移った先の店から連絡が行っても、止める手段がありません。
ここで言いたいのは、スタッフが悪いということではありません。 お客様に喜ばれる対応をした結果、連絡先を交換した。それはスタッフの努力です。問題は、店の仕組みが無かったことの方です。
もう1つ、見落とされがちなことがあります。お客様の名前、施術の内容、ときには体の悩みまで、店のお客様の情報が、店の管理できない場所に置かれているということです。お客様の情報をどう扱うかを店として決めているなら、その決まりと合っているかは、一度確かめた方がいい。
禁止から入ると、うまくいかない
店主がいきなり「個人のLINEは禁止」と言うと、反発が出ます。当然です。
指名で売上を作っているスタッフにとって、個人のLINEは仕事の道具です。取り上げられると感じれば、表向きは従って、裏で続けます。禁止は、見えなくするだけで、なくしはしません。
順番を逆にします。先に、店のLINEの方がスタッフにとっても楽な状態を作る。
- 休みの日に、お客様からの連絡に返さなくていい
- 予約の変更は、ほかのスタッフが代わりに受けられる
- 自分の個人のLINEに、仕事の通知が来なくなる
この3つを先に用意して、「これからはこっちで受けよう」と話す。禁止の話は、その後で構いません。
店のLINEに窓口を寄せる手順
スタッフ全員を店のLINEのメンバーに入れる
LINE公式アカウントは、1つのアカウントを複数の人で管理できます。権限は4種類です。
| 権限 | できること |
|---|---|
| 管理者 | すべて。メンバーの追加や削除、支払いの設定も |
| 運用担当者 | 配信やチャットなど、日々の運用 |
| 運用担当者(配信権限なし) | チャットの返信はできるが、全員への配信はできない |
| 運用担当者(分析の閲覧権限なし) | 運用はできるが、分析の数字は見られない |
管理者は店主だけにしてください。 ここは譲らない。 スタイリストは「運用担当者(配信権限なし)」で足ります。全員への配信を誰でも送れる状態にすると、通数の枠をすぐに使い切ります。
メンバーの追加は、管理画面の「設定」→「権限管理」からです。スタッフが辞めるときは、ここから外せば、その日から店のLINEには入れなくなります。個人のLINEとの違いはここにあります。
返事には自分の名前を書く
店のLINEから返すと、お客様にはスタッフの名前が見えません。誰が返しているか分からないと、指名のお客様は不安になります。
決まりは1つで足ります。返事の最後に「(担当:山田)」のように名前を書く。 地味ですが、これでお客様には担当者からの返事として届きます。
店の側で整理したいときは、チャットの「タグ」に担当者の名前を付けておくと、同じタグのお客様を一覧でまとめて見られます。追加料金なしで作れるタグは5個まで、1人のお客様に付けられるのは1個なので、スタッフ5人までの店ならこれで足ります。お客様に見えない「ノート」には、前回の施術や好みを書いておけます。辞めたスタッフのお客様を引き継ぐとき、このノートが残っているかどうかで、次の担当者の最初の一言が変わります。
1対1のチャットでの返信は、何往復しても無料プランの通数に数えられません。返事を店のLINEに寄せても、月の費用は増えません(LINE公式アカウントは無料でどこまで使えるか)。
お客様への案内は、次の来店時に口頭で
個人のLINEから「これからはこちらに」と一斉に送るのはやめてください。お客様から見ると、急に事務的になったように感じます。
来店したときに、担当スタッフが自分の口で伝えるのがいちばんです。「予約はお店のLINEからだと、私が休みの日でも受けられるので」。お客様の都合として説明すると、移ってもらいやすい。レジの横に店のLINEのQRコードを置いておけば、その場で追加してもらえます。
全員が移るまでには、来店の周期分の時間がかかります。急がなくていい。2か月に1回来るお客様なら、2か月。焦らないでください。
個人のLINEを残してもいい場合
全部を店に寄せる必要はありません。
店主が1人でやっている店なら、店主の個人のLINEで十分です。 辞める人がいないので、この記事で書いた問題が起きません。ただし、店主のスマートフォンが壊れたときのために、お客様の連絡先は別の場所にも控えておいてください。
もう1つ、長年の常連で、個人の付き合いになっているお客様は、無理に移さなくて構いません。そこまで店が管理しようとすると、スタッフとの関係が壊れます。線を引くなら、「新しく連絡先を交換するお客様は、店のLINEで」という引き方にしてください。
店のLINEにしてもできないこと
店のLINEに寄せても、スタッフが辞めたときにお客様がついていくことは止められません。
お客様は、店ではなく人に通っていることがあります。それはどんな仕組みを作っても変わりません。店のLINEでできるのは、辞めた後も店から連絡できる状態を残すことと、次の担当者が前回の内容を引き継げることまでです。
それから、仕組みを入れても、スタッフが返事を書かなければ回りません。 最初の1か月は、店主が毎日チャットの未返信を確かめてください。ここを面倒がると、お客様は結局スタッフの個人のLINEに戻ります。
アカウントの名義そのものを誰が持つかは、店のSNSアカウントを、スタッフや業者に任せるときに書きました。
まとめ
今日やることは1つです。次のスタッフミーティングで、「新しく連絡先を交換するお客様は、店のLINEで」と決めてください。
今いるお客様を移すのは、その後で構いません。
現在の友だち数、配信頻度、リッチメニューを伺い、優先する改善をご案内します。
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- LINEヤフー for Business「「タグ」「ノート」機能|LINEチャットをフル活用するための機能紹介と成功事例」(基本機能ではタグ5個・1チャット1個、ノートはユーザー本人に見えないこと)
- LIGLA「LINE公式アカウントの権限」(管理者・運用担当者・配信権限なし・分析の閲覧権限なしの4種類)
- LIGLA「LINE公式アカウントと個人アカウントの切り替えはスマホ上で可能?」(個人アカウントを公式アカウントに切り替えることはできないこと)
