「SNSをやった方がいい」と言われて調べると、どの記事も「両方やりましょう」と書いてあります。Instagramで新しいお客さんに見つけてもらい、LINEで再来店につなげる。理屈は正しいです。

ただ、その記事のどれもそれが何時間の作業なのかを書いていません。

店を回しながら両方を続けられる人は、多くありません。この記事では、どちらか片方から始める前提で判断の基準を書きます。

当社はLINEもInstagramも運用のメニューとして売っています。そのうえで、社内で見積もっている作業時間が4倍違うことをお伝えします。自分でやる場合は、ここに撮影の時間が乗るので、差はもっと開きます。

先に判断表。片方から始めるならどちらか

当てはまる方が多い側から始めてください。

当てはまること向いている方
すでに来てくれている常連客がいるLINE
予約や問い合わせの電話が多いLINE
写真を撮る習慣が無いLINE
リピートで成り立つ商売(美容室・整体・飲食)LINE
見た目で選ばれる商品がある(料理・花・雑貨・施術前後)Instagram
開業したばかりで、まだ知られていないInstagram
すでに個人のアカウントで店の写真を上げているInstagram
商圏が広い、または県外からも来るInstagram

両方に同じくらい当てはまる場合は、LINEからにしてください。 作業時間が少なく、止まりにくいからです。

「両方やりましょう」が成立しない理由

ここは他の記事が書いていない部分です。両方やることの是非ではなく、作業時間の話です。

かかる時間が4倍違う

当社が運用を代行するときの見積もりを出します。

月額(税別)想定作業時間
LINE公式アカウント運用10,000円月2時間
Instagram運用50,000円月8時間

同じ「SNS運用」でも、月額は5倍、作業時間は4倍違います。

差が出るのは、作るものが違うからです。当社のLINE運用は配信が月2回まで。文章を書いて送るだけなので、これで成立します。Instagramはフィード投稿を月8本、ストーリーズを月4本。素材を加工し、文章を付けて、出し続ける必要があります。

なお、この8時間に撮影は入っていません。 当社のInstagram運用は、写真を店舗様からご提供いただく前提です(撮影が必要な場合は都度見積)。

自分でやる場合は、ここに撮影の時間が乗ります。 差は4倍では収まりません。

Instagramの費用の内訳はInstagram運用代行の費用相場に書きました。

止まったアカウントは、無いより悪い

両方を始めて、両方が3ヶ月で止まる。当社が相談を受けてきた中では、これがいちばん多い結果です。

最終投稿が半年前のアカウントは、無い方がましです。 見た人が「もうやっていないのかもしれない」と考えるからです。営業していない店だと思われるのは、知られていないより損です。

片方が続いている状態の方が、両方が止まっている状態より成果が出ます。

LINEから始めた方がいい店

もう来てくれているお客さんがいる

LINEはすでに知っている人に届ける道具です。友だち追加してもらう相手は、来店したお客さんです。

つまり、お客さんが0人の状態では、LINEは動きません。 逆に、常連が何十人かいる店なら、初日から使えます。

OREND(ステップ・アラウンド株式会社)は、LINEヤフー株式会社の2021年の調査として、LINEユーザーの約80%がその日のうちにメッセージを開封すると紹介しています。届く速さはLINEの強みです。

予約や問い合わせのやりとりが発生する

「明日の18時、2名空いていますか」。この種のやりとりが電話で来ている店は、LINEに移すだけで負担が減ります。

営業中に電話を取らなくてよくなり、記録も残ります。この用途なら、配信を1回もしなくても価値があります。

写真を撮る習慣が無い

LINEは写真が無くても成立します。 文章だけで送れます。

「今週の日替わりはこれです」「年末は29日まで営業します」。これで十分機能します。

費用も、店の規模によっては0円のままです。月に送れる無料の通数と、その正しい数え方はLINE公式アカウントは無料でどこまで使えるかに書きました。

Instagramから始めた方がいい店

見た目で選ばれる商品がある

料理、花、雑貨、パン、ネイル、施術の前後。写真で違いが伝わる商品を扱っているなら、Instagramの方が向いています。

逆に、写真にしても他店と区別がつかない商品なら、時間をかけても差がつきません。

まだ客数が少なく、知られていない

開業したばかりで常連がいない段階では、LINEに追加してくれる相手がいません。まず知られる必要があります。

Instagramは、まだ店を知らない人の画面に出る可能性があります。LINEにはその機能がありません。

すでに個人のアカウントで写真を上げている

これがいちばん確実な判断材料です。

すでに自分のアカウントで店の写真を上げている人には、撮る習慣があります。まったく写真を撮らない人が「これから毎週撮る」と決めても、そこから習慣を作るところが最初の壁になります。

続くかどうかは、やる気より、いまある習慣に乗せられるかで決まります。

どちらでもない場合。SNSより先にやることがある

当社は相談を受けたとき、多くの場合SNSより先にこちらを勧めています。

Googleで店名を検索して、何が出るか見る

いま、自分の店の名前で検索してみてください。右側や上部に出る店の情報が、Googleビジネスプロフィールです。

そこで次を確認します。

  • 営業時間が正しいか
  • 写真が3枚以下になっていないか
  • 電話番号が今の番号か
  • ウェブサイトの欄が空欄になっていないか

ここが古いまま、あるいは空欄のままSNSを始めても、たどり着いた人が離れます。 直し方はGoogleマップに自分の店が出てこないときに確認することに書きました。

探している人に届くのは検索、思い出してもらうのがSNS

順番には理由があります。

「草津 整体」と検索している人は、いま探しています。 探している人に届くのは、GoogleマップとホームページとGoogleの検索結果です。

一方、SNSは探していない人の画面に出る仕組みです。届く相手の数は多いのですが、いますぐ来店する人の割合は下がります。

探している人を取りこぼしている状態で、探していない人に配るのは順番が逆です。 ホームページに何を載せるかは店舗のホームページに何を載せるかにまとめました。

3ヶ月続いたら、もう片方を足す

片方を始めたら、3ヶ月続けてから判断してください。

3ヶ月続いたなら、それは自店の運営に組み込めたということです。そこで初めて、もう片方を足す価値が出てきます。

3ヶ月で止まったなら、足しても同じことになります。止まった理由を、当社は「時間が無い」ではなく「何を投稿するか決まっていない」だと見ています。 内容が決まっていない状態で数を増やしても、止まる場所が増えるだけです。

足す順番は、Instagramから始めた場合はLINEを足す方が楽です。逆(LINEからInstagram)は、写真を撮る作業が新しく増えるので負担が大きくなります。

まとめ

片方に決めて、3ヶ月だけ続けてください。

判断に迷ったらLINEです。作業時間が少なく、止まりにくく、すでに来てくれているお客さんに届くからです。写真で選ばれる商品を扱っているか、まだ知られていない店なら、Instagramです。

そして、Googleで自分の店名を検索して、情報が古かったなら、SNSより先にそちらを直してください。 30分で終わって、探している人に直接届きます。

出典

競合3社の記述は2026年9月4日に各社の記事本文で確認しています。開封率の数値はOREND がLINEヤフー株式会社の2021年の調査として紹介しているものです。当社の月額と想定作業時間は2026年9月4日時点の内容です。表示は全て税別です。

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