朝、Googleビジネスプロフィールの通知を開いたら、身に覚えのない星1の口コミが一晩で5件ついていた。その日の夕方、知らないアカウントからメッセージが来る。「口コミを消してほしければ、ギフトカードで払え。払わなければ、もっと書く」。
この記事は、その状況から抜け出すためのものです。払わずに終わらせる手順を、順番に書きます。
先に結論を書きます。払わない。やり取りしない。証拠を保存して、Googleの専用フォームから報告する。 Googleは、この手口のための報告の窓口を用意しています。
普通の悪い口コミと、恐喝の違い
悪い口コミが来ること自体は、どの店にもあります。恐喝は、それとは手口が違います。
Googleのヘルプは、この手口を「否定的なクチコミによる恐喝詐欺」と呼び、典型的な流れを次のように書いています。1つ星や2つ星の口コミが急に増え、そのあとで、削除と引き換えに金銭や商品、サービスを要求してくる。
見分けるときは、次の3つを見ます。
| 見る点 | 普通の悪い口コミ | 恐喝 |
|---|---|---|
| 件数と時期 | ぽつぽつと来る | 短い期間にまとめて来る |
| 中身 | 料理や接客の具体的なこと | 中身がほとんど無い、どの店にも当てはまる文 |
| 連絡 | 無い(あっても電話や来店) | 口コミとは別の経路(メール、SNS、メッセージアプリ)で要求が来る |
最後の行が決め手です。口コミとは別の経路で、お金の話が来たら、恐喝です。
この手口は、2022年にはアメリカのレストランで報じられていました。75ドル分のGoogle Playギフトカードを要求された例が、当時の報道に出ています。日本の小さな店も対象になります。
最初にやめること
焦ると、相手のペースに乗ってしまいます。次の4つは、どれもやめてください。
- 払う。 払っても消える保証はありません。払う店だと分かれば、また来ます。Googleのヘルプも、金銭を支払ったり、自分で解決しようとしたりしないよう書いています
- 相手とやり取りする。 値下げの交渉も、「やめてください」という返事も、しません。相手にとっては、反応があったこと自体が手がかりになります
- 口コミに長い反論を書く。 偽の口コミに一つずつ反論すると、それを読んだ他のお客様には、店が揉めているように見えます。返信するなら、短く1行に留めます(後で書きます)
- 削除代行の業者に頼む。 口コミを消すかどうかを決めるのはGoogleです。業者に払っても、Googleへの報告と同じことしかできません。お金を払う相手が1人増えるだけです
当社のメニューにも、口コミの削除代行はありません。
証拠を残して、専用のフォームで報告する
ここが一番大事なところです。報告には証拠が要るので、消す前に、まず保存します。
保存しておくもの
- 要求のメッセージの画面ごとの保存(スクリーンショット)。 メールなら、件名と送り主のアドレスが写るように
- 相手の名前、ユーザー名、連絡先。 表示されているものを、そのまま書き写す
- 偽の口コミそれぞれへのリンク。 Googleマップで口コミを開き、共有ボタンからリンクをコピーする
- 気づいた日時と、口コミがついた日時の一覧
相手のメッセージは、保存が終わるまでブロックも削除もしないでください。ブロックすると、画面が残らないことがあります。
報告の手順
- Googleビジネスプロフィールのヘルプで「否定的なクチコミによる恐喝詐欺を報告する」のページを開く
- ページ内の「販売者に対する恐喝の報告フォーム」を開く
- 店の情報を入れ、上で保存したスクリーンショット、口コミへのリンク、相手の名前や連絡先、気づいた日時を添えて送る
- 送ったあとで、相手をブロックする
このフォームは、口コミを1件ずつ報告する機能とは別の窓口です。 偽の口コミを1件ずつ報告するのに加えて、恐喝であることをまとめて伝えます。1件ずつの報告の仕方はGoogleの口コミへの返信例文の、削除の対象になるかを確かめる章に書きました。
口コミへの返信は、1行だけ
返信は必須ではありません。書くなら、他のお客様に向けて1行だけにします。
「この口コミについては、ご来店の記録が確認できないため、Googleに報告しています。」
相手を責める言葉や、恐喝のことは書きません。読むのは、これから来るかもしれないお客様です。
報告したあとと、警察への相談
Googleは、報告の調査結果の詳しい内容を、プライバシーとセキュリティ上の理由から店に伝えません。偽の口コミが消えていれば、調査が進んだと考えてください。
Googleは2026年4月に、口コミの不正を検出する仕組みを強めたと発表しています。不正な投稿を消したときに、プロフィールに投稿が一時的に制限されている理由を知らせる表示を出し、オーナーにメールで知らせる、という内容です。この通知が来たら、それも保存しておきます。
金銭を要求されたことは、警察にも相談できます。
- 警察の相談専用電話「#9110」
- 滋賀県警察のサイバー犯罪の相談窓口
ネット上の書き込みへの対応に迷ったら、総務省が委託している「違法・有害情報相談センター」にも無料で相談できます。
報告しても、すぐ全部は消えない
報告してから偽の口コミが消えるまでには、時間がかかります。全部が消えるとも限りません。その間、星の平均は下がったままです。
ここは耐えるしかありません。できることは、普段のお客様の口コミに丁寧に返信を続けることです。新しい本物の口コミが積み上がれば、偽の数件は埋もれていきます。口コミが消える仕組みについては増やそうとした口コミほど消えるにも書きました。
当社のGoogleビジネスプロフィールの月額(3,000円)には、誤った情報や第三者からの変更の確認が入っています。口コミが急に増えたことに当社が先に気づいたら、すぐに店主に連絡します。ただ、報告は店主ご本人に出していただきます。要求のメッセージを受け取っているのは店主で、証拠も店主の手元にあるからです。
まとめ
今日やることは1つです。相手のメッセージを、返信もブロックもせずに、画面ごと保存してください。
保存が終われば、あとはGoogleのフォームに添えて送るだけです。お金は1円も払う必要はありません。
出典
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールでの否定的なクチコミによる恐喝詐欺を報告する」
- Impress Watch(Googleマップのクチコミ詐欺対策についての記事、2026年4月23日)
- PHILE WEB(Googleマップの低評価レビュー詐欺についての記事、2022年7月20日)
- 警察庁「警察相談専用電話 #9110」
- 違法・有害情報相談センター(https://ihaho.jp/)
