店のInstagramに、こんなDMが届いた。「あなたの投稿に著作権侵害の申し立てがありました。48時間以内に異議を申し立てないと、アカウントが削除されます」。下にリンクが付いている。
その前日には「素敵なお店ですね。フォロワーを1,000人増やしませんか」。その前は「コラボのご提案です」。
Instagramのスパム対策を書いた記事(アシストや、リベシティの体験記など)はたくさんありますが、多くは個人の利用者向けです。店のアカウントに届くDMの見分け方と、本物の取材や依頼を逃さない線の引き方は、あまり書かれていません。この記事はそこを書きます。
Instagram は DM で連絡してこない
最初に、これだけ覚えてください。
Metaは公式の発表で、InstagramがDMで利用者に連絡することはないと書いています。アカウントの停止、著作権の申し立て、認証バッジの案内。どんな理由でも、Instagramの運営がDMを送ってくることはありません。
Instagramからの本物の連絡は、アプリの中で確かめられます。設定から「Instagramからのメール」を開くと、運営が実際に送ったメールの一覧が出ます。DMやメールで警告が届いたら、まずこの一覧に同じものがあるかを見てください。 無ければ偽物です。
偽の警告の手口は、年々手が込んできています。2026年9月には、本当に著作権の申し立てを出してアカウントを一時停止させ、そのうえで「取り下げてほしければ払え」と金銭を求める手口が、海外のセキュリティ会社から報告されました。警告の画面が本物らしく見えても、DMで来た時点で疑ってください。
店に届くDMは4種類ある
店のアカウントに来るDMは、ほとんどが次の4つのどれかです。
| 種類 | よくある文面 | 対応 |
|---|---|---|
| ① 運営を名乗る警告 | 「著作権侵害」「規約違反」「48時間以内に」「認証バッジの申請」 | 返さない。リンクを開かない。 通報してブロック |
| ② フォロワー・いいねの販売 | 「フォロワーを増やします」「人気投稿に載せます」 | 返さない。削除で十分 |
| ③ 営業・代理店 | 「運用代行のご提案」「広告で集客しませんか」 | 必要なら会社名で調べる。不要なら返さない |
| ④ コラボ・PRの依頼 | 「商品を紹介させてください」「インフルエンサーです」 | 次の節で見分ける |
②は、買っても来店にはつながりません。増えたフォロワーは海外の、実在しないアカウントであることが多く、店の投稿を見たお客様にもすぐ分かります。
③は、ホームページとGoogleマップの営業電話にどう答えるかで電話営業について書いたことが、そのまま使えます。その場で返事をしない。会社名と料金を文字で送ってもらう。 文字で送れない業者は、相手にしなくていい。
本物の依頼を見分ける
困るのは④です。地元の情報誌、タウン誌のWeb版、テレビの番組制作、近くの店からのコラボ。本物も混ざっています。
見分けるのは、次の3点です。
- 相手の会社やメディアの名前が書いてあるか。 書いてあれば、その名前で検索します。公式のサイトに同じ担当者の名前や、問い合わせ先が出ているか
- お金の話が先に出てこないか。 「掲載料」「登録料」「サンプル代の立て替え」が早い段階で出てきたら、取材ではなく広告の営業です
- 電話番号を聞いて、こちらからかけ直せるか。 本物の取材なら、断られることはまずありません
「商品をレビューしてくれたら報酬を払う」という依頼も、この見分け方で弾けます。2026年10月には、InstagramのDMで製品レビューの報酬を持ちかけられた神戸市の男性が、現金21万6千円をだまし取られたと報じられました。報酬を払う側が、先にこちらからお金を求めることはありません。
インフルエンサーを名乗る依頼は、アカウントのフォロワーの中身を見てください。フォロワー数は多いのに、投稿へのコメントが外国語の短い言葉ばかりなら、フォロワーを買っている可能性があります。そういう人に料理を無料で出しても、店のお客様は増えません。
本物の依頼だと分かった場合も、DMの中だけで話を進めないことです。日時、掲載の範囲、写真の扱いはメールか電話で確かめてください。
リンクを開いてしまったら
スタッフが偽の警告のリンクを開き、ログイン画面にIDとパスワードを入れてしまった。こういうときの手順です。
- すぐにパスワードを変える。 開いたリンクからではなく、Instagramのアプリから
- 二段階認証が有効か確かめる。 有効でなければ、ここで設定する
- アカウントの連絡先を確かめる。 メールアドレスと電話番号が、知らないものに書き換えられていないか
- ログインしている端末の一覧を見る。 知らない端末があれば、ログアウトさせる
- 店のスタッフ全員に、同じDMを開かないよう伝える
5番を忘れないでください。同じ偽の警告は、同じ日に店のスタッフの個人のアカウントにも届いていることがあります。
すでにログインできなくなっていたら、アプリのログイン画面の「ログインできない場合」から復旧を申請します。復旧には時間がかかることがあります。ふだんから、店主のスマートフォンでもログインできる状態にしておくことが、いちばん効く備えです。アカウントを誰が持つかは店のSNSアカウントを、スタッフや業者に任せるときに書きました。
偽のDMは止められない。被害だけを止める
偽のDMを、来なくすることはできません。通報してブロックしても、別のアカウントから届きます。
できるのは、来ても被害が出ない状態にしておくことです。二段階認証を入れ、店主もログインできるようにし、スタッフに「運営はDMで連絡してこない」と伝えておく。それで十分です。
DMを全部読んで判断するのは、正直に言って面倒です。営業中に読む必要はありません。1日1回、閉店後に5分と決めて、まとめて見てください。
まとめ
今日やることは1つです。店のInstagramの設定を開いて、二段階認証が有効になっているかを確かめてください。
有効になっていれば、偽のDMのリンクを誰かが開いてしまっても、すぐにアカウントを取られることは防げます。
現在のInstagramプロフィールと投稿を確認し、予約・来店への導線を整理します。
Instagram運用を無料相談するLINEで無料相談する友だち追加後、そのままメッセージを送ってください。営業時間内に当社が返信します。出典
- Meta「Instagramを安心・安全に保つために」(InstagramはDMで利用者に連絡しないこと、運営からの連絡はアプリ内で確かめられること、二段階認証)
- 神戸新聞「インスタDMから製品レビューで報酬と持ちかけられ 神戸の男性が現金21万6千円詐欺被害」(2026年10月5日)
- Malwarebytes「Copyright scammers get Instagram accounts suspended and demand payment」(2026年9月。偽の著作権申し立てでアカウントを停止させ、金銭を求める手口)
