社長に「ホームページから仕事は来てるのか」と聞かれて、答えられなかった。月5,000円の保守費を払い続けるかどうかも、判断できない。 この記事は、その状態を月末までに抜けるためのものです。 先に書いておくと、Googleアナリティクスの設定は後でかまいません。 先に決めるのは、何を数えるかと、誰が数えるかです。紙1枚と30分で始められます。設定の手順は記事の後半に置きました。

アクセス数を報告しても、判断材料にならない

「先月のアクセスは1,200でした」と報告しても、次に何をするかは決まりません。増えても減っても、打つ手が出てこないからです。

理由は2つあります。

1つは、BtoBでは検索する人の母数がそもそも小さいこと。滋賀県内で特定の加工や工事を探している会社は、月に数十社しかいないかもしれません。その中の1社が問い合わせてくれば十分なのに、アクセス数で見ると誤差に埋もれます。

もう1つは、アクセスの中身です。 自社からのアクセスを除外していないGoogleアナリティクスは珍しくありません。社員10人が朝礼前に自社サイトを開く習慣があれば、それだけで月200前後が積み上がります。営業先で自社サイトを見せれば、それも1件です。

見るべきは、訪問の数ではなく反応の件数です。

BtoBでは、反応は4つの経路に分かれる

ここが、この記事で一番伝えたいところです。

サイトを見た人の反応は、フォームだけに出るわけではありません。4つに分かれます。そして、Googleアナリティクスで数えられるのは、このうち1つだけです。

経路数えられる場所数え漏れが起きる理由
①問い合わせフォームGoogleアナリティクス送信後にページが変わらないと数えられない
②電話電話を受けた人のメモサイトを見て掛けたのか判別できない
③担当者宛の直接メール各自の受信箱記録がどこにも残らない
④指名検索Search Console存在を知らないまま使われていない

①問い合わせフォーム

Googleアナリティクス(GA4)で数えられる唯一の経路です。ただし設定が要ります。手順は後述します。

②電話

BtoBでは、サイトを見た人が最初に取る行動は電話です。 見積の依頼をフォームで送る会社より、電話で担当者に話す会社の方が多い。フォームには何の記録も残りません。

スマートフォンで電話番号をタップした回数は、設定すれば数えられます。ただし、パソコンで番号を見て固定電話からかける人は数えられません。BtoBではこちらが多数派です。

現実的なのは、電話を受けたときのメモに1行足すことです。用件の横に「Web」と書くだけ。相手に「どちらで当社をお知りになりましたか」と毎回聞くのは、受ける側の負担が大きすぎて続きません。担当者が「ホームページを見たんですけど」と言われたときだけ書く、という緩さで十分です。

③担当者宛の直接メール

最も数え漏れが多いのがここです。 会社概要ページに載せた代表アドレス、名刺のアドレス、過去のやり取りに残っているアドレス。ここに届いた問い合わせは、各担当者の受信箱に入ったきり、社内のどこにも記録が残りません。

サイトの効果を測るとき、この経路を勘定に入れていない会社が多い。実際には、サイトで事業内容を確認した相手が、フォームではなく直接メールを打っていることがあります。

④指名検索

自社名で検索された回数です。Search Console(サーチコンソール)という無料のツールで確認できます。

これは「新しく見つけてもらった数」ではなく、すでに会社を知っている人が確認しに来た数です。展示会に出た月、商工会議所の名簿に載った月、チラシを撒いた月に、ここが動きます。営業活動の効果がサイト側に現れる場所だと考えてください。

まず紙1枚から始める

競合の解説記事はGoogleアナリティクスの設定から入りますが、当社は運用を先に作ることを勧めています。

理由は単純で、専任のWeb担当がいない会社では、設定した翌月には誰もログインしなくなるからです。設定は1回で終わる作業、数えるのは毎月続く作業です。続く方を先に決めてください。

月次で見る数字は4つまで

表の形は何でもかまいません。Excelでも手書きでも同じです。

フォーム電話(Web)直接メール指名検索メモ
9月
10月

5つ目を足したくなったら、代わりに1つ減らしてください。項目が増えた集計表は、3か月で埋まらなくなります。

数えるのは誰か、いつか

「毎月第1営業日に、総務の担当者が15分で埋める」ところまで決めてください。担当者名を空欄にした集計表は、埋まりません。

そして、1か月分の数字では何も分かりません。 3か月たまって、はじめて比較できます。最初の2か月は「数字を書く習慣をつける期間」だと考えて、増えた減ったの議論をしないでください。

Googleアナリティクス(GA4)で問い合わせを数える設定

ここからが設定です。Googleアナリティクスでは、問い合わせの完了を「キーイベント」として自分で指定しないと数えられません。以前「コンバージョン」と呼ばれていたものです。

作業には、そのアナリティクスの「編集者」以上の権限が要ります。権限が無いなら、持っている人に依頼してください。

送信後に専用ページへ移動する場合

最も簡単なケースです。フォームを送信すると /thanks/ /contact/complete/ のようなURLに変わるなら、次の順で進みます。

  1. 実際に自分でフォームを送信し、移動先のURLを控える
  2. 管理画面の「管理」→「イベント」→「イベントを作成」
  3. 条件に、そのURLを含むページが表示されたとき、という指定を入れる
  4. 作ったイベントを「キーイベント」として登録する
  5. 翌日、自分でもう一度テスト送信して、数が増えるか確認する

5番を飛ばさないでください。条件の書き方を1文字間違えているだけで、いつまでも0のままになります。反映には時間がかかり、当日中には出そろわないことがあります。

送信後もURLが変わらない場合

同じページに「送信しました」と表示されるだけのフォームは、このままでは数えられません。

タグマネージャーを使って計測する方法もありますが、設定を頼む費用より、制作会社に「送信完了後に専用ページへ移動させてほしい」と依頼する方が安く済みます。 フォームの設定を1か所変える作業です。見積を取るときは、この言い方でそのまま伝えてください。

外部のフォームサービスを使っている場合

送信すると別のサイトのURLに飛ぶ形式なら、そのサービスの管理画面に受信件数が出ています。そちらを数えてください。 Googleアナリティクスで無理に追おうとすると、設定が複雑になるわりに数が合いません。

数字が合わないとき、たいていは4つのどれか

設定が終わると、次に必ずこうなります。「受信箱には5件しか来ていないのに、アナリティクスでは8件になっている」。

原因はだいたい次の4つです。

  1. 同じ人が2回送信した。 送信ボタンを二度押した、返事が無いので数日後に送り直した
  2. 自社の社員がテスト送信した。 設定の確認や、サイト更新後の動作確認
  3. 迷惑メールフォルダに入っている。 受信箱には無いが、届いてはいる
  4. 業者からの自動送信。 営業目的の一斉送信で、メール側では迷惑メール判定されている

数が合わないこと自体は異常ではありません。 ずれの幅が毎月だいたい同じなら、そのまま運用して差し支えありません。

注意するのは、ずれが急に大きくなったときです。その月は4番、つまり自動送信が増えている可能性が高い。フォームに簡単な確認を入れるだけで減らせるので、制作会社に相談してください。

数えても分からないこと

はっきり書いておきます。数字で分かるのは増減の方向だけで、理由は分かりません。

特にBtoBでは、数字に出ない効果の方が大きいことがあります。 展示会で名刺交換した相手が、後日サイトを見て「ちゃんとした会社だ」と判断し、そのまま発注する。この場合、サイトは決定の一部を担っていますが、フォームにも電話メモにも何も残りません。指名検索が1回増えるだけです。

だから当社は、よくある質問で順位や問い合わせ件数の保証をしないと書いています。保証する代わりに、確認する指標を先に決めて、施策の前後で比べます。数字が動かなかったときに「何が動かなかったのか」を言える状態にしておくことが、保証より役に立ちます。

まとめ

先月の受信メールを開いて、「サイトを見て来たと分かるもの」だけを数えてください。10分で終わります。この1つの数字が、来月から始める集計表の最初の行になります。

当社は、問い合わせの計測設定をサービスの対応範囲に入れています。今の設定がどうなっているか分からない場合は、サイトのURLをお知らせください。

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この記事を書いた人

しがビズ(株式会社トリプルエッグ)

滋賀県の中小企業向けに、会社サイトの作り直しと、生成AIの業務導入を行っています。検索キーワード、サービスページ、記事、内部リンク、計測の改善までを対応範囲にしています。