店内のメニューと貼り紙は替えた。それなのに、お客様から「Googleで見た値段と違いますね」と言われた。
値上げの告知のしかたを書いた記事はたくさんあります。ところが、値上げした後、ネットに残った古い値段をどう探して直すかを書いた記事は見当たりません。店のメニューを替えても、ネットの値段は1つも替わらないのに、です。
この記事では、古い値段が残りやすい場所と、直す順番、店主では消せない場所の扱いを書きます。作業は、自分の店の名前で検索することから始まります。
店のメニューを替えても、ネットの値段は替わらない
当たり前のことですが、ここでつまずく店がいちばん多い。忘れているのです。
ネットの値段は、誰かがそのとき入力したものが、そのまま残っています。 自分で入れたもの、業者に頼んで入れたもの、お客様が勝手に撮って上げたもの。どれも、値上げを知りません。
しかも、値上げは1回では終わらないことが多い。原材料と光熱費の上がり方を見ると、来年もう一度直すことになるかもしれません。1回目のときに「どこに値段が載っているか」の一覧を作っておけば、2回目からは探す作業が要りません。
古い値段が残っている場所は、10か所前後ある
自分の店の名前で Google と Instagram を検索し、値段が出てくる場所を書き出してください。飲食店なら、たいてい次のどこかに出てきます。
| 場所 | 誰が直せるか |
|---|---|
| Googleビジネスプロフィールのメニュー(料理名と値段の入力欄) | 店主 |
| Googleビジネスプロフィールに店が上げたメニュー表の写真 | 店主 |
| ホームページのメニューのページ | 店主か制作会社 |
| ホームページに貼ったメニューのPDF | 店主か制作会社 |
| Instagram のプロフィール文、ハイライト | 店主 |
| Instagram の過去の投稿(写真に値段が写っているもの) | 店主(消すか、アーカイブ) |
| LINE公式アカウントのリッチメニュー、ショップカードの特典 | 店主 |
| グルメサイト・予約サイトの店舗ページ | 店主か、掲載を契約している会社 |
| お客様が Google に上げたメニュー表の写真 | 店主は消せない |
| お客様のブログや口コミの文中の値段 | 店主は消せない |
店主が自分で直せる場所
表の上の8つは、手間はかかっても自分で直せます。
見落としやすいのは、ホームページのPDFと、Instagram の過去の投稿です。 PDFはホームページを作ったときに制作会社が貼ったもので、店主は存在を忘れています。Google で検索すると、PDFが単独で出てくることがあります。
Instagram の投稿は、1枚ずつ値段を直すことはできません。値段が写っている投稿は、アーカイブ(自分だけに見える状態にする)にするのが現実的です。消すわけではないので、後で戻せます。
店主では消せない場所
お客様が Google に上げた写真は、店側では消せません。消せるのは、Google のポリシーに反している写真について報告することだけで、「値段が古い」は、報告で消してもらえる理由には当たらないと考えておいた方がいい。
対策は、新しいメニュー表の写真を店側で上げることです。店が上げた写真が増えれば、古い写真が見られる回数は減ります。完全には消えません。そこは割り切ってください。
直す順番は、見られる回数で決める
全部を一日で直すのは無理です。順番を決めます。順番は、お客様がその値段を見る回数で決めます。
- Googleビジネスプロフィールのメニューと写真。 店名で検索した人がまず見る場所です
- ホームページのメニューのページとPDF
- Instagram のプロフィールとハイライト。 過去の投稿は後回しでいい
- グルメサイト・予約サイト。 予約サイトに古い値段が出ていると、予約の時点で金額の行き違いが起きます。予約を受けている店は、ここを2番目に上げてください
- 残り
時間がかかるのは、直す作業より探す作業の方です。一覧を1枚作っておけば、次からはその紙を上から順に直すだけになります。
Googleビジネスプロフィールの情報の直し方そのものは、Googleマップの営業時間。入力欄を1つ間違えると直らないで営業時間を例に書きました。メニューも同じ画面から直します。
税込の値段で書く
直すついでに、値段の書き方も確かめてください。法律の話です。
消費税の総額表示の義務は、店がお客様にあらかじめ値段を見せるとき、税込の値段を書くことを求めています。国税庁の説明では、値札やチラシだけでなく、ホームページなどの媒体もすべて対象です。口頭で伝える値段だけが対象外です。
書き方は、「1,100円」「1,100円(税込)」「1,100円(税抜1,000円)」のどれでも構いません。いけないのは、「1,000円(税抜)」とだけ書いて、税込の値段が無い書き方です。昔作ったPDFのメニューには、この書き方が残っていることがあります。
古い値段を見て来たお客様には、どう言うか
直している途中にも、古い値段を見て来るお客様はいます。
言い方は1つに決めておくと、スタッフが迷いません。
「申し訳ありません、◯月から値段を改めました。ネットに前の値段が残っていて、いま直しているところです」
ネットに古い値段があることを、店の側から先に認めてしまう。 お客様が言いにくそうにしているときほど、こちらから言った方が角が立ちません。
古い値段で出すかどうかは、店の判断です。当社の考えを言えば、直す作業が終わるまでの数週間に限って、予約サイト経由で古い値段のまま予約が入った場合は、その値段で出すのが揉めない方法です。予約の時点で金額を見せているので、そこは店側の落ち度になります。
まとめ
今日やることは1つです。自分の店の名前で Google を検索し、出てきた値段を全部メモしてください。
そのメモが、次の値上げのときにも使う一覧になります。
出典
- 国税庁「No.6902 「総額表示」の義務付け」(あらかじめ価格を表示する場合は税込価格の表示が必要で、媒体を問わないこと、口頭は対象外であること、表示例)
